クライオポンプ FAQ

1. 圧縮機が起動した時、バルブモーターが起動しない。

考えられる原因:バルブモーターと圧縮機ユニットの連絡配線が接続されていない。
対策:圧縮機を停止し、連絡配線を接続する。

考えられる原因:バルブモーターの故障。
対策:バルブモーターをチェックする。

考えられる原因:連絡配線が断線。
対策: 各配線の導通を確認する。

2. バルブモーターはうなり音をあげるが起動しない。

考えられる原因:コンデンサ又は抵抗の不良。
対策:各部品をチェックする。
考えられる原因:バルブモーターの故障。
対策:バルブモーターをチェックする。
考えられる原因:連絡配線が断線。
対策:各配線の導通を確認する。

3. バルブモーターは回転するが、冷えない。

考えられる原因:真空断熱が不十分。
対策:粗引きポンプシステムと洩れチェックを行う。
考えられる原因:ガス連絡ホース接続状態が不良。
対策:連絡ホースが高低圧間違いなくきちっと接続されているかチェックする。
考えられる原因:圧縮機ユニットの運転圧力が異常。
対策:圧力をチェックする。

4. クライオポンプのハウジングが結露又は異常に冷たい。

考えられる原因:真空断熱が不十分。
対策:粗引きポンプシステムと洩れチェックを行う。
考えられる原因:停止後、自然放置による、ためこみガスの再放出。
対策:粗引きを行う。

5. 約15分経過後も大きな打つ音が消えない。

考えられる原因:圧縮機ユニットの圧力が異常。
対策:圧縮機ユニットの圧力をチェック。
考えられる原因:ガスが汚染されている。
対策:クリーニング、ガス充填を行う。
考えられる原因:オリフィスバルブの流通が異常。
対策:サービス担当者に相談。

6. 継続的に運転する。

考えられる原因:圧縮機が運転、停止を繰り返している。
対策:圧縮機ユニットをチェックする。

7. 温度が周期的に変化する。

考えられる原因:ガスの汚染により、ディスプレーサー内部で不純物の凍結、融解が繰り返されている。
対策:クリーニング、再充填を行う。

8. 急激に冷凍能力が低下し、クライオポンプの性能が低下する。

考えられる原因:真空断熱が破れる。
対策:粗引きポンプシステムの洩れをチェックする。
考えられる原因:圧縮機の機能不全。
対策:圧縮機ユニットをチェック。
考えられる原因:ブルブモーター、抵抗、コンデンサの不良。
対策:電気チェックを行う。

9. 冷凍能力が徐々に低下し、クライオポンプの性能も徐々に低下する。

考えられる原因:真空断熱に小さな洩れが発生。
対策:洩れテストを行う。
考えられる原因:シール材がすり減る。
対策:適切にエキスパンダーを分解すると、洩れているシールの近くに黒い粒子が見られるので交換のこと。
考えられる原因:エキスパンダーにリークが発生している。
対策:リークチェックを行い、リークの部分を修理する。
考えられる原因:オリフィスバルブの流通が不適当。
対策:販売業者に依頼。

10. ヘリウム圧縮機に使用する冷却水の水質基準はありますか?

製品の安定した運転を保持する為には、冷却水の水量、温度コントロールと共に冷却水水質の管理も大切である。 冷却水の水質基準としては、日本冷凍空調工業会が制定した「冷凍空調機器用冷却水水質基準」が広く一般用に用いられている為、 本品についてもこの基準を適用する。

水質基準

↓この図は右から左へスクロール可能です

  項目 PH 冷却水 傾向
一過式又は循環式冷却水
タワー補給水
腐蝕 スケール生成
基準値 PH(25℃) ※16.5~8.0 ※16.0~8.0
導電率(25℃μS/cm) 800以下 200以下  
Mアルカリ度(PPM) 100以下 50以下  
全硬度(PPM) 200以下 50以下  
塩素イオン(PPM) 200以下 以下  
硫酸イオン(PPM) 200以下 50以下  
全鉄(PPM) 1.0以下 0.3以下
硫黄イオン(PPM) 不検出 不検出  
アンモニウムイオン(PPM) 1.0以下 0.2以下  
シリカ(PPM) 50以下 30以下  
遊離炭酸(PPM) ※2 ※2  

※1.タワー補給水のみPH値が6.0~8.0となっているのは、地下水などで炭酸ガスが溶解してPH値が一時的に下がっても、タワーで循環使用中にPH値が上昇して問題が無くなることを考慮したものである。

※2.定量的な許容値は明確でないが、腐蝕因子として作用することが明らかなもの。 注意:基準値の各項目は腐蝕またはスケール障害に強い関連性を持ち、そのいずれか一項目でも基準値から外れると腐蝕又はスケール傾向にあると推定できるもので、定期的に管理すべき項目を言う。