クライオポンプ 仕組み

極低温で超高真空を作るクライオポンプとは?

気体分子は、絶対零度(-273.15℃)近くに冷却された面を衝突すると、凝縮、吸着する特性を持っています。この特性を利用し、極低温によって気体分子を排出するのがクライオポンプの原理です。 クライオポンプは、2段階の冷凍機で構成され、ファーストステージ(50K~80K)のバッフル部では、主に水蒸気を、セカンドステージ(10K~20K)で酸素や窒素、アルゴンなどの気体分子を凝縮温度の低い水素やヘリウム、ネオンなどもセカンドステージ内面にコーティングした活性炭によって低温吸着。 これによって処理空間内の気体を希薄にし10-8Pa(10-10Torr)以下という超高真空を作り出します。

クライオポンプの概念

再生方法の例

クライオポンプは凝縮・吸着した気体分子をハウジング内に貯蔵します。このため定期的にハウジング内に溜まった気体分子を外部へ排出する必要があります。この作業を再生といい、下図の手順で行います。
次の手順で再生が行われることにより、従来の再生方法(連続N2パージ)と比べ※約30%再生時間短縮と完全な残留水分の除去が可能になります。
※当社8インチクライオポンプによる実測比

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クライオポンプと付属装置の構成例

本再生システム及び、フローは推奨例です。ご都合によりこの通りできない場合はご相談ください。

危険性ガスを排気するときには別途検討が必要です。

クライオポンプ付属装置

再生方法

クライオポンプ再生方法

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1

メインバルブ(MV)を閉め、クライオポンプと真空チャンバーを隔離します。これで、再生作業中も真空チャンバーないの真空レベルが保たれ、作業再開が素早く行えます。

2

圧縮機ユニットの運転スイッチを切り、クライオポンプを停止させます。停止直後から十分なN2を導入し、ポンプ内部温度を室温付近まで上昇させます。 なお、この時ホットN2を導入したり真空チャンバーにバンドヒーターを取り付けることにより、昇温時間を短縮することができます。 (ホットN2およびバンドヒーターを使用する場合は、ポンプおよびポンプ内部温度が70℃を越えないようにしてください)

3

室温到達後、ロータリーポンプによる気化した分子の排気作業(ポンピング)とN2パージを3~4回繰り返してください。 (グラフ参照)これにより、パージによる水分と窒素の置換促進効果と、ポンピングによる窒素脱離が効果的に行われ、最も効率の良い再生が可能になります。

4

上記3の作業後、クライオポンプ内を規定の圧力まで下げ、粗引きバルブを閉じ、ライズレートをチェックします。 このチェックでクライオポンプ内の残留ガス再放出量が3x10-2Paℓ/sec(2x10-4Torrℓ/sec)以下であれば、再生完了です。

ご注意
クライオポンプはため込み式のポンプです。危険性ガス(有毒性、可燃性、窒息性、腐食性etc)を排出した場合及び、直接危険性ガスを排気しなくても、ガスの種類により、クライオポンプ内で危険性物質・ガスが生成されることがありますので、再成には充分ご注意ください。導入ガスに関するご質問がありましたら、ご相談下さい。