島根県鹿足郡吉賀町に開園した「よしかファーム」は、画期的なアイメック®農法により高品質・高糖度なミニトマトを栽培する農業法人です。
同園では、農業のIT化など先進的な取り組みの一環として、養液の低温管理を目的に当社のチラーシステムを導入し、出荷トマトの高品質化を実現しています。
今回は、農場長・山本竜生様に、同園の取り組みやチラーシステムの評価などについて語っていただきました。
(コンテンツ作成日 2021年1月)
まずは、よしかファームをご紹介ください。
また、トマト栽培を行う農家・農園が多い中で、当社では土耕栽培や水耕栽培とも異なる最先端の「アイメック®農法」を採用すると同時に、 出荷時においては、光センサーで全てのトマトの糖度を測定し、糖度別にセレクトして出荷する糖度保証を実施することで他との差別化を図っています。
「アイメック®農法」とは、どういう栽培法なのでしょうか?
人工透析など、医療用として使われているハイドロゲルを農業に転用した画期的な栽培法です。
土を使わずフィルム上に根を這わせ、フィルムには水と養分だけを通し、病原菌などは通さない無数のナノサイズの穴が開いているため、作物を安全に栽培することができます。
また、フィルムを通して給水を制限することで、果実は自己防衛的に糖分やアミノ酸を蓄えことから高糖度、高栄養価を実現し、トマト栽培に最適な農法と言われています。
さらに、この農法はITとの親和性が高いというのも大きな特徴です。実際、当社でも気温・水温・湿度・日照・風向・CO2濃度などの各種センサーを導入し、
遮光カーテンや窓の開閉や温度管理など自動化を実現し、徹底した環境管理を行っています。つまり、農業のIT化、工業化を実践しているわけです。
今回、NTEのチラーシステムを導入された経緯についてお聞かせください。
特に、当社は糖度保証を実施しているため、トマトの糖度アップと品質管理は大きな課題でした。
そこで、アイメック®農法の特許を持つメビオール株式会社の方に相談したところ「チラーシステムを使って、養液を冷やすといい」とのアドバイスをいただきました。 また、この方法を採用し実績を上げている農家の成功事例なども参考に、チラーシステムの導入を検討し始め、インターネットで、チラーシステムを取り扱っているメーカーや商社を調べました。 その後、数社に問合せしたところNTEさんが最もレスポンスが速く、なおかつシステムも小型で使い勝手が良さそうだったので導入を即決し、2020年の春から稼働させています。
導入効果、システムとしての評価はいかがでしょうか?
トマト栽培の場合、根の最適温度は20~21℃程度です。養液を送水する途中で温度が上がることを想定し、水温18℃に設定して運用を開始しました。 ハウス全体を冷やすのではなく、根元だけを冷やすので非常に効率的です。この方法で運用したところ低温管理が徹底され、例年に比べトマトの糖度、出荷量ともに向上しました。 そして、例年、夏の終わりには根が茶色に変色し弱くなっていたのですが、導入後は夏を越えても根は白く元気な状態を保っています。 つまり、夏に気温が上がり品質が低下してしまう「高温障害」対策として、チラーシステムは非常に有効であったと実感しています。 また、システムとしての操作性においても、ボタン操作だけで簡単に水温設定が行え、当社が導入しているアイメック®農法との親和性が高いシステムとして評価しています。
最後に、今後の課題やビジョンなどをお聞かせください。
会社としては、農園規模の拡大を考えています。
現在も複数のセンサーを導入と各種自動化により、ハウス内の環境管理を行っていますが、今後の規模拡大を見据えて、農園全体のIoT化を加速化していくつもりです。
具体的には、全てのセンサーをネットワークすることでスマホやPCを使って環境データを一元管理すると同時に、チラーシステムの水温設定を含めた農園内の全ての設備・装置をリモート操作できるシステム環境を構築したいと思っています。
そして、「よしかファーム」のブランド価値の向上を通じで、地元・吉賀町の活性化にも貢献したいですね。
ありがとうございました。
- お客様概要: よしかファーム株式会社
URL:http://yoshika-farm.co.jp/index.html/
所在地:〒699-5512 島根県鹿足郡吉賀町広石486